スペシャル

上野役・芹澤 優さん
キャストインタビュー Vol.1
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感情の起伏が激しい上野さん、でも実は……

ご自身が演じている主人公・上野さんはどんなキャラクターですか?

『上野さんは不器用』というタイトル通り、すごく不器用な女の子なんですけど、何が不器用かというと、同じ科学部の後輩の田中に「好きだ!」という気持ちを伝えるために、いろんな発明品を使って自分の思いに気づいてもらおうとするんです。でもそれがいつもおかしな方向に行ってしまって、空回ったり失敗したり……そして感情の起伏がすごく激しくて、常に一生懸命がんばっている女の子です。

キャラクター的に特にツボだなと思うポイントはどこですか?

上野さんが照れた瞬間! やっぱり可愛いなと思います。普通の人間では思いつかないようなことを思いついたり、天才的でちょっと頭のネジが飛んでいるような部分に目が行きがちだし、それが上野さんのすごく良いところでもあると思うんですけど、そんな中で普通の中学3年生の女の子らしい恋心を垣間見せる瞬間が可愛いんです。

演じるうえで心がけている部分や、あるいは難しいと感じている点はありますか。

叫んだり怒ったりするシーンが多くて、でもそこで一辺倒な怒り方をしていると、やかましい女の子になりかねないんですよね。視聴者の方にそう感じてほしくないなと思ったので、メリハリはしっかりつけて、叫んだり怒ったりしているところは思いっきりやりつつ、照れて赤くなっている様子や女の子らしい姿を見せる場面では、とにかくピュアに演じられるようにと心がけています。

作品を見ていると忘れがちなんですが、さっきおっしゃっていたように中学3年生なんですよね。

そうなんですよ。きっと中学3年生の中でもかなりピュアなほうだと思うので、上野さんのピュアな部分を感じてもらえるとうれしいです。

ご自身の中学3年生当時と比較して、いかがですか?

上野さんよりずっとマセていましたよ、悲しいかな(笑)。お化粧とかもし始めていましたし。絶対に上野さんは化粧なんてしていないですよね。そういう、世の中に染まっていない感じというか、浮世離れした上野さんの感性や、彼女の頭の中だけで展開される発想は演じるうえでも大事にしたいなと思っています。

上野さんの後輩の2人、田中と山下を演じる田中あいみさん、影山 灯さんについて、アフレコの中で印象に残っている姿やエピソードを教えてください。

影山さんが演じる山下は、普段はもの静かで温度のない感じで、あまり感情の起伏がないように見える女の子なんですけど、急に上野さんの代わりに田中に怒ったりするんですね。そこに山下の愛というか、上野さんのことがすごく好きなんだなという気持ちが感じられてすごいですし、そういうスイッチが入った瞬間の影山さんのお芝居は素晴らしいなと思います。2人がすごく不安定な芝居をする一方で、田中さんはちょっとやそっとでは動じないという安定感でそこにいてくれるんです。

山がふたつあって、その間に谷がひとつある、という感じですね。

そうですね。そういう不安定なところと安定したところのバランスが良い3人だなと思います。

上野さんに作ってほしい発明品は

作中には毎回、奇想天外な上野さんの発明品が登場しますが、お気に入りのものはありますか?

“II傘”(あいあいがさ)は便利そうだし、登場回のお話がすごく可愛いので好きですね。それ以外だと……これもエピソード込みですけど、“カンチカン”も楽しかったですね。 自分の心と機械が繋っていて、感情が揺れ動くと頭の上についた装置が鳴るという発明品なんですけど、田中にちょっと耳元で話されただけで大ボリュームで鳴らしてしまう上野さんのピュアなところがそのシーンは感じられて。きっと上野さん、田中以外の男の子としゃべったこともなさそうだしな……。

そういったシーンは演じるうえでも楽しかったですか?

『上野さん』ではセーブをしないというか、ストッパーを外したようなお芝居をすることが多くてドキドキ感があって、ハァハァ息を切らせながらやっているんですけど、楽しいです。「私はどこまで出せるんだろう?」といつも自分にワクワクしています。お家で練習を全力でやると声が枯れちゃうので(笑)、練習で8割、本番で10割を出す、という感じなんですけど、「こんなキメの声が自分には出るんだ!?」みたいなことが多いです。

もし上野さんに実際に話しかけることができるとしたら、どんなことを話してみたいですか?

「私のセーラー服姿、似合ってますか!?」って訊いてみたいです。中学・高校と私はセーラー服じゃなかったんですよ。今までのキャラクター衣装でも、まったくなかったわけじゃないんですけど、少なくて。だから「私、まだイケてますか?」って本人に訊いてみたい(笑)。あとは私に発明品を作ってほしいです。

具体的にどんなものがほしいですか?

お料理が上手になる手袋とかがほしいですね。私、プロフィールでは「趣味:料理」になっているんですけど、最近は自分で料理をしたのが片手で思い出せるくらいの回数で(笑)。そろそろお姉さんになってきたから、またできるようにならなきゃなと思って。でも、きっととんでもないものが出てきますよね(笑)。

見たことのないヒロインを楽しんでほしい

エンディング主題歌「マイペース・サイエンス」は科学部3人のキャラクターソングですが、これも意表をついた雰囲気の曲ですね。

おしゃれですよね。今まで私は、アイドルの役とか、歌う設定のキャラクターでキャラクターソングを歌うことが多かったんですよ。でも上野さんは歌っているところがまったく想像できなくて。上野さんの歌ってどんなものなんだろう? あまり歌い上げちゃうと中学3年生らしさから離れちゃうし、かといってヘタクソなイメージもないし、ましてやジャズ風の曲なので、それなりにリズムに乗らないと曲としての魅力も出てこないし……とけっこう悩みました。

実際に完成したものを聴いてみての印象は?

できあがりで3人が歌っているのを聴くと、田中は田中でけっこう楽しそうに歌っていて、山下は「影山さん、そう歌うんだ!?」という意外な感じで、歌声はバラバラなんだけど、全体的にはなんとなくまとまっている様子がすごく科学部っぽくて、気持ちよく聴ける曲になっていると思います。本編が15分で、短い時間の中にたくさん情報量が詰め込まれているので、皆さんが心をかき乱された後にすっと落ち着ける、食後のデザートみたいな曲ですね。

作品について特に注目してほしい部分や、放送を待つ視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。

きっと皆さん、こんなヒロインは見たことがないんじゃないかなと思います。特に原作を知らない方は「この子は何なんだ!?」と思われるかもしれないですけど、絶対にそこから引き込まれて、気づいたら好きになるだけの魅力を持っているのが上野さんなので、ぜひ今までにないヒロインを愛していただきたいです。基本的に科学部の部室からは動かないお話なんですけど、その中で繰り広げられる3人の、非日常だけど彼女たちにとってはごく普通の日常生活がなんとなくクセになるんじゃないかなと思います。

[取材・構成=御杉重朗、撮影=スギゾー]

田中役・田中あいみさん
キャストインタビュー Vol.2
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鈍いけど、きっと優しい男の子?

演じておられる田中はどんなキャラクターですか?

この作品に出てくる中では唯一の男の子で、すごくマイペースというか、わりと鈍感な子です。他のキャラクターたちの個性がものすごく強い中、田中は埋もれがちなんですけど、さらっと毒舌なことを言ったり、上野さんの気持ちを考えているようで、鈍さゆえに傷つけてしまうこともある、そんな感じの男の子だと思って演じています。

上野さんや後輩の山下にはよく怒られていますが、発言自体は案外まともなんですよね。シチュエーションが致命的にズレていますけど……。

言っていることはだいたい正しくて、上野さんの体を気遣ったりもできる子なので、そのさじ加減が難しいですね。「基本的にこの子は優しい子なんだ」ということは常に考えています。

他に演じていて難しい点、注意している点はありますか?

淡々としゃべり続けてしまうと、トーンが低くなって怖くなってしまうので、男子ならではのあっけらかんとした明るさを乗せるようにしています。上野さんが高いテンションでグワッとっと来るので、すごくそれに乗っかりたくなりますし、ツッコミを入れるときはズバッと声を張りたくなっちゃうんですけど、そこでさらっと受け流すのが難しいですね。だから感情が田中の中で動いて、たまに焦ったりビシッと声を上げられるところは演じていて楽しかったです。

上野さん役の芹澤 優さんは「田中さんの動じない安定感が頼もしかった」とおっしゃっていました。

芹澤さんがマイクテストでいつも面白いんですよ。だいたいその後に田中がしゃべらないといけないんですけど、笑いをこらえるのに大変で出遅れたりすることがけっこうあって(笑)。でもそう言ってくれるのはうれしいですね。

水面下でそんなせめぎ合いがあったんですね。田中さんは芹澤さんが演じる様子をどんなふうに見ていましたか。

毎回、メチャクチャ叫ぶセリフが多いのに、ぜんぜん疲れていないのがすごいなと思っていて。そういう人が“座長”として真ん中にいると、こっちもテンションが高まって演じられるので、ありがたいなと思っています。あとはブース内でいろんな奇声の研究をしていて(笑)、そのレパートリーを面白いなと思いながら聞いていました。

山下役の影山 灯さんについてはいかがですか?

共演していた作品ではふわふわとした声が高めな女の子を演じていたので、最初に山下役が影山さんと聞いたときには「どんなふうにやるんだろう?」と思いました。原作を読んでいても山下の声は想像できなくて。上野さんや田中は「なんとなくこんな感じかな?」と想像できたんですよ。でも山下はどんな声でも当てはまりそうだし、と思って楽しみにしていたんですけど、聞いてみたら「こんな低い声なんだ!?」とびっくりしました。

気付いているのか、いないのか!?

上野さんが繰り出す発明品の中で、特に印象的なものを挙げるとすると?

スク水(スクール水着)みたいな形をしていて着ると空中を自在に移動できる“SQ水”という発明品が出てくるんですが、あれは楽しそうだなと思いました。田中がとても興味を示すんですよ。いろんな発明品が出てきた中でも「すごい!」というテンションになっていて、やっぱり男の子は空を飛びたいんだなって(笑)。もうひとつ印象に残っているのは“カンチカン”。“カンチチ”という謎の精霊と交信する装置という紹介で「もうそれは科学でも何でもないじゃん!?」と思って(笑)、すごく印象に残っていますね。

もしも作中の田中に会えたら言ってみたいことはありますか?

「本当に上野さんの気持ちに何も気付いてないのか?」と訊いてみたいです。本当に気付いてないのだとしたら、おすすめの少女漫画とかを渡して「世の中の女の子はこうなんだよ」と教えてあげたいし、もしかしたら気付いていてああいう行動をとっているのか……どっちなんだろうと思っているんですよ。

ご自身の中でも解釈が定まっていないんですね。

そうですね。恋愛要素が多めのお話でも、思わせぶりなことばっかり言うんですけど、田中はオフゼリフとか、見ている側に背中を向けてしゃべることが多いので、なかなか表情が見えないんですよ。「わかりました」とか「安心しました」というセリフをどんなニュアンスで言おうかなと考えたときに、気付いているのか? 気付いていないのか? どういう意味で言っているのかなと思うんですけど、ずっとわからないままですね。

原作に忠実なテンションを楽しんでほしい

エンディング主題歌「マイペース・サイエンス」について、最初に曲を聞いたときの印象はいかがでしたか?

意外でした。もっと合唱ぽい曲になると想像していたので。本編でかなりワイワイとやっているのに対して、エンディングはほっこりして終わる曲だなぁと思いました。

収録に際してのエピソードを教えてください。

私は男の子ではないので、合唱で男子が歌っている様子をYouTubeで見たりしてから収録に臨みました。自分の出しやすいキーだったので、特に難しいと思うところもなかったんですが、3人の中で最初に録ったので、かえって悩まなかったのかもしれないですね。上野さんはきっと大きく抑揚をつけて、山下は可愛い感じで来るかなと考えて、じゃあ私は淡々とやってみようかなと思いつつ歌ったんですが、完成したものを実際に聴いてみると上野さんは予想よりもおとなしめの印象で、山下が想像以上にちゃんと歌っている、という感じでした(笑)。

作品について特に注目してほしい部分や、放送を待つ視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。

セリフなどは本当に原作のままでやっているので、上野さんのクセのある言い回しだったり、謎の敬語なんかも出てくるんですけど、まず原作を読んでくださっている方にはそういった忠実にやっているからこその面白さを味わってほしいです。1話目からけっこう過激なネタが出てくるんですが、その先もずっとそんなテンションで進んでいくので、最初に「楽しい!」と思ってもらえたら、最後までずっと楽しめる作品だと思います。

ちょくちょく出てくる科学部以外の面々も強烈ですよね。

ゲストに出てくるキャラクターも科学部の3人に負けず劣らず個性が強くて、キャストの方々も豪華ですし、「次は誰が出てくるかな」とワクワクしながら毎週、楽しんでもらえたらと思います。

[取材・構成=御杉重朗、撮影=スギゾー]

山下役・影山 灯さん
キャストインタビュー Vol.3
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科学部員で最年少、だけど一番大人?

演じられている山下について、紹介をお願いします。

科学部の中では一番後輩の1年生で、上野さんの田中に対する気持ちが成就することを心から応援している子です。田中とは正反対に人の気持ちを察する能力が高くて、自分がちょっと邪魔になっちゃうかな、という場面ではおとなしく本を読んでいたり、ツッコむべきところでは激しくツッコんだり、上野さんの背中を押したり、お話のスパイス的な役回りなのかなと思っています。

科学部の中では常識的な感性を持っているようにも思います。

先輩に対する礼儀とかはないですけど(笑)。よく変な本を読んでいたりしますし、変わった子ではあるんですけど、すごく空気が読める、人の気持ちがわかる子ですね。

山下を演じるうえで特に意識しているのはどんなことですか?

先ほども言ったように、空気が読める分、言葉数は少なめだったりするんですけど、その中でどう存在感を出すかをいろいろと考えました。作品のゆるい空気感は大事にしつつ、山下のローテンションなところとギャグとして美味しい部分のバランス感を常に意識しつつやっています。

後輩だけど一番大人かもしれないですね。

精神的にはそうかもしれないですね。きっと経験はないはずなんですけど、恋愛とかの知識も豊富なんじゃないかな……本を読んだりして得た知識だけは(笑)。

田中役の田中あいみさんとはこれまでにも共演がありましたが、本作での共演であらためて抱いた印象などはありますか?

あいるー(田中あいみ)と長く共演した以前の作品でもボーイッシュな一面は見られたんですが、この作品では完全な男の子役で、私、あいるーの男の子ボイスが大好きなんですよ。だから、隣で聞いていてすごく役得だなと思いながら堪能していました(笑)。それでいて普通の男の子じゃないじゃないですか。すごく飄々としていて、聞いていて感情を動かされるんです。本当にイラッとさせられるところが面白くて、もちろん褒めているんですよ、すごく(笑)。

芹澤 優さんに関してはいかがですか?

上野さんはテンションが高く、叫ぶセリフが多いから、お家で何回も練習するのは難しいと思うんですよ。それを現場でバチっと決めるのが格好いいですし、休憩中も台本に向かって練習していたりする姿勢はストイックというか、真摯に向き合っているんだなと共感と共にすごく刺激もされます。

山下最大の謎、それは……

作中に登場する発明品の中で「これがあったらいいな」と思うものはありますか?

“II傘”(あいあいがさ)は普通にほしいですね。気になる子とくっつく口実になりそうですし。急な雨が降ってきたときに「私、傘がついてるから」って(笑)。同性でも、あまり話したことがないけど「お友達になりたいな」って子を誘って距離を縮めるきっかけにできますよね。お買い物のときにも便利そうだし、本当に普通に実用化される未来を待っています。

もしも実際に山下に会えるとしたら、話してみたいこと、訊いてみたいことはありますか?

いつも山下が読んでいる本はどういう興味で買っているのかなって。『メロンソーダの作り方』とか『来世から始める貯水管理』とか、謎のタイトルの本をいつも読んでいるので、本の趣味についてちょっと語り合いたいです。何の役に立てるつもりなんだろうとか、そもそもどこで見つけてくるんだろうとか、気になります(笑)。

ギャグだけでなく、可愛さもいっぱいの作品

エンディング主題歌「マイペース・サイエンス」はジャズ風の曲ですが、最初に聞かれたときにはどのように感じましたか。

元気のいいノリノリな電波曲みたいなものをイメージしていたので、意外でした。でも完成したものを聞いてみると、エンディングらしく可愛らしい雰囲気に仕上がっていて、「あ~、今週も終わっちゃったな~」とゆったり聞ける感じで癒やされますね。あと、歌詞に「これ学生の頃に習ったかもしれない」という科学用語がいっぱい出てくるので、懐かしい気持ちになります。

レコーディング時のエピソードを教えてください。

そもそも歌うイメージが山下にはなくて。きっと合唱コンクールとかに出てもすごく小さな声だろうなと思うんですよ(笑)。ディレクションでは「中学生っぽくあまり感情に起伏をつけずに歌ってみたら」と言われました。あとは中学1年生なので、まだ習っていないであろう科学用語の意味をよく知らずに歌っている感じを心がけてみました。

作品について特に注目してほしい部分や、放送を待つ視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。

まずギャグ要素が強いな、というイメージを持たれると思うんですけど、絵柄もポップで可愛らしい作品でもあるんです。上野さんの恋する乙女の部分が出る回は本当に“神回”なので、そういう女の子の可愛らしさも楽しんでいただきたいのと、放送時間が短い分、テンポが良くて気軽に見られる作品だと思うので、何度も見て楽しんでいただけたらなって思います。

ノリの軽さ、ゆるさに反して、いろんな側面がある不思議な作品ですよね。

毎回出てくる発明品もまず発想が面白いですし、「その道具をそう使うんだ!?」という意外性も他の作品にない特徴だと思うので、「こんなものがあったらいいな」とか「こんなことできたらいいな」と思いながら見てもらえたらうれしいですね。なんだか『ドラえもん』のようですけど(笑)。

[取材・構成=御杉重朗、撮影=スギゾー]

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